【入院あるある】同じ血液内科に入院してる、若い子をナンパしてみた
8月30日 日記
出会い
8月初旬、県内の病院から専門病院に移ってきたばかりの自分にとって、血液内科や泌尿器科に入院している方は概ね高齢で、どこか入院のこなれた雰囲気に見えて誰にもなじめないでいた。
そんな中、歳は20代前半くらいであろうか、シャワー上がりにドライヤーで髪を乾かす若い人をみて、入院されてる方の中には自分より若く病気になられた人もいるんだ(大変だ)と思ったのが率直な印象でした。
血液内科は入院患者数が病棟で一番多いらしく、初めはその子がどこの部屋にいるかさっぱりわからなかったし、コロナ禍で関わり合いも制限されている状況。
病棟内でたまにすれ違い軽く目を合わせるようになって、向こうもこちらの事を少し認識してきてくれたのかな、なんて思いにふけりながら――。
話しかけるにもきっかけがなく、もやもやする日々を過ごしていた。
きっかけは突然に
入院患者が院内のコンビニに行ける時間帯は決まっている。外来患者が帰った17:00~20:00まで、私はいつものルーティーンでコーヒーを買いにコンビニに降りて行った。
いつもと変わらない、食後のコーヒーブレイク。
しかし、その時目についたのがあの子がコンビニ横のベンチで座っている。イヤホンをつけながら小声でしゃべっているところ見ると恋人と電話をしているのかな。
そんな気を使いながらコーヒーを買い終わりコンビニをでる、するとタイミングよく電話を切って、少しベンチで休憩をしている。
ここだ。頭で考えるよりも体が先に動いていた。軽く会釈をして、挨拶を始める。
『あっはじめまして、こんばんは!一緒のフロアで入院されてますよね!?』
とっさのことで動揺もあったのか早口になってしまう。
しかし、向こうもこちを認識してくれていたみたいで、すんなりと話しを始めてくれた。あぁ声かけてよかった。
話し相手ができた
お互いの事を話して行く中で初め気づいたのが、やはり同じ血液内科に入院していてもやはり同じ病気の方はかなり少ないということ。
その子はITPとは違い骨髄異形成症候群という、どちらかというと、白血病に近い難病のようだった。
私自身、ITPを発症した時になんとも言えない喪失感・なんで自分なんだと思い悩んだ時期があり、今でも完全に受け入れきれていない自分がいる。そんな会話をしてるうちにその子が前向きな言葉をくれた。
どうせなってしまうなら、若いうちで良かったと。幸いステージも軽いらしい。
それは、今後の治療法や手術は若いうちの方が当然身体が耐えれるからだそうだ。
なるほど、確かにそういう見方もある。今まで若く発症する人が少ないから、なんて運がないと考えがちであった。しかし、逆を返せば若い方が治療に耐えつつ寛解を目指せるチャンスがあるということに気づかせてくれた。
難病に良いも悪いもないのだが、その子はすごい前向きに考えていた。
50分以上は話したであろうか、お互いの心境や治療方法、辛いこととか気持ちを共有できること、久しぶりに人と話したせいもあるのかなんだかすがすがしい気持ちになれた。
そして、自由時間も迫ってきたので、またお話ししようね!といって彼と別れたのである。